人とテクノロジーを繋ぎ、患者様により良い医療サービスを届ける。

公立松任石川中央病院 病院長 谷 卓

医療情報を開示するメリット

当院は2019年の4月に患者様自身のスマホでの待ち順番表示ができるようになり、患者様の待ち時間の有効活用ができるようになったことが分かりやすい導入結果ですが、他にもメリットはあります。例えば、患者様の情報をその地域におけるすべての医療機関で共有できるということは、今まで受診したことが無い患者さんが来院された場合、その情報共有データが閲覧できるということです。そうすることで、既往歴や今まで処方された薬も把握することができ、自分の専門ではない疾患等の場合には、他院と連携を取ることが可能となってきます。すると、その地域に対象とする医師がいなくともネットワーク化されることにより患者さんも病院を渡り歩くことなく住んでいる地域の診療所などを安心して受診することができます。これは医療費削減や医師不足、偏在の解決に繋がります。
これは革新的なことで、全国的に広まれば医療という社会インフラをより盤石なものにできると確信しています。

 

人間とテクノロジーの力で進める医療

「地域医療構想」、「医師・医療従事者の働き方改革」、「医師偏在対策」などを今後一体になって進めていかなければならない中で、当院もICTやAIの活用を推し進めていますが、私たちは基本方針として「ぬくもりとおもいやりの医療」を掲げています。一見、デジタル化とは真逆の方針であると解釈できますが、人と人、人と技術が繋がって仕事をしていくべきであるということがこれから重要になってくると考えます。
今までは医師と患者様が直接対面して診察を行うことが基本であると認識されていましたが、ICTを活用することにより離島など離れた地域における遠隔診療などが可能になります。その結果、普段病院へ足を多く運べない方々への生活習慣病や重大な疾病の予防ができるようになってきたのです。

 

現代医療の理解を促す

地域の方に向けて、がんや心臓病、脳卒中を中心に早期発見することの重要性や、治療法に関する知識、生活習慣病の予防についてお伝えする啓蒙活動も行っています。こちらの活動には看護師さんも積極的に参加していただき、在宅医療のニーズと特定看護師へステップアップをしていただくキッカケとしての意味合いもあります。特定行為研修を修了させ、医師の判断を待たずに診療補助を行うことができる特定看護師は在宅医療における活躍が期待されています。今後のニーズの変化に向けて、予防医療に対して意識を高く持ってもらうべく市民の方、そして看護師さんへ向けて啓蒙活動を行っています。
さらに今後は、未来の医療についても知っていただきたいと思います。現段階でICT医療は人や地域によって周知内容の格差があるのも事実。そのため、未来の医療を担う医師や医療従事者は、どの地域でも同じようにICT医療が普及し一般市民の方にも理解していただけるよう、率先してICT医療について学び、普及していない地域に出向いて市民に共有するといった行動や心持ちが必要であると感じますね。

公立松任石川中央病院

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